顧客満足度調査のやり方やメリットを解説|覆面調査など種類も紹介

コラム

顧客満足度調査は、顧客満足度の現状を把握して課題を見つけ、改善効果を測定していくために実施します。

 

顧客満足度は、顧客が自社の店舗や商品・サービスを利用して感じた満足の度合いであり、新規顧客の獲得やリピート率向上、ブランド力の強化のためには、顧客満足度向上が必要であるといわれています。
多くの企業が顧客満足度向上につとめており、その一環として顧客満足度調査を活用しています。
そこで今回は、顧客満足度調査に注目して、やり方やメリットを解説し、覆面調査など顧客満足度調査の種類を紹介します。
この記事を読むことで顧客満足度調査についての理解が深まるでしょう。

 

顧客満足度調査とは

顧客満足度調査のやり方やメリットを解説|覆面調査など種類も紹介

 

顧客満足度調査とは、顧客が企業や企業が提供する商品やサービスについてどのように評価しているかを調査し、その結果を数値化することです。
顧客満足度向上に向けて、現状を把握することができるとともに、取り組むべき課題を見つけることができます。
さらに、課題を解決するための取り組みを実施していく中で、効果測定をするために活用します。

 

公益財団法人 日本生産性本部は、顧客満足度調査を実施する際の指標として、以下の6つをあげています。

引用元:公益財団法人 日本生産性本部「JCSI因果モデルの6つの指標」

 

顧客満足度調査では、必要な属性(性別・年代・住所・職業・世帯人数・利用日時・利用頻度など)を確認し、一般的には、以下の項目を調査していきます。

 

店舗や商品・サービスを利用して感じた満足の度合い

•セールやイベント、キャンペーンなどが魅力的。
•アクセスが良い。
•利用しやすい時間帯に営業していた。
•商品を見つけやすいレイアウト。
•店内は清掃が行き届き、清潔感があった。
•魅力的な商品が豊富に揃っていた。
•他の店舗にはないオリジナリティのある商品。
•メニューや商品の価格表示がわかりやすい。
•店員の接客態度が良かった。
•会計はスムーズ。
•購入後のアフターケアの体制は信頼できる。
•セールやイベント、キャンペーンなどが魅力的。

 

期待と顧客満足度の評価

•店舗を利用する前に、どの程度期待していたか。
•店舗や商品・サービスを利用してみて、「サービスの質」はどうだったか。
•支払った金額に対して、どうだったか。
•店舗や商品・サービスを利用してどの程度満足したか。
•店舗や商品・サービスを利用したことは、良い選択か。
•店舗や商品・サービスを利用して、生活を豊かにすることに役立ったか。
•店舗や商品・サービスを友人や知人、家族に話す際、良い話題とするか、悪い話題とするか。
•今後も店舗や商品・サービスを利用し続けたいと思うか。

このように顧客満足度調査は、自社の現状を把握し課題を見つけ、改善の度合いを測定するために有効です。
また、定期的に顧客満足度調査を継続することで、商品やサービスの品質のモニタリングができます。

 

顧客満足度調査のやり方

顧客満足度調査のやり方には、以下の3つがあります。

•自社で実施
•リサーチ会社に依頼
•外部機関を活用

 

自社で実施

自社で顧客満足度調査を実施する方法には、ヒアリング、アンケート、インタビューがあります。

 

ヒアリング

ヒアリングでは、顧客と接点を持つ営業担当者やカスタマーセンターのオペレーターなどが、直接ヒアリングします。
購入やアフターサービスの手続きなどの通常業務の流れにプラスして顧客満足度に関する質問をすることで、具体的な生の顧客評価を得ることができます。

 

アンケート

企業のオウンドサイトやECサイトへのアンケート設置や、商品を購入した際にアンケートはがきを渡したりして顧客満足度調査を行う方法もよく実施されています。
また、購入した商品を宅配便で送る際に、商品とともにアンケートはがきを入れるケースもあります。
商品購入やサイトへのメンバー登録など、顧客がアクションを起こした際にアンケートが実施されるため違和感を持ちにくい点がメリットになるでしょう。

 

インタビュー

企業が調査したい対象に対して、インタビュー形式で顧客満足度調査を行うことがあります。
単独でインタビューを実施する場合や、複数の顧客を集めて座談会形式でインタビューを実施する場合があります。
ヒアリングやアンケートでは掴み切れない内容の調査が可能である点がメリットです。

 

リサーチ会社に依頼

顧客満足度調査を実施しているリサーチ会社に依頼すれば、費用がかかりますが、手間と時間をかけずに高品質の調査が実施できます。

 

外部機関を活用

公益財団法人 日本生産性本部では、サービス産業の約30の業種を対象に毎年調査( JCSI(日本版顧客満足度指数)調査結果)を行い、スコア上位企業を公表していますので、同業種の調査結果を参考に自社と比較ができます。

 

顧客満足度調査の主な種類

 

顧客満足度調査の主な種類は以下の3つです。

•インタビュー調査
•アンケート調査
•覆面調査

 

インタビュー調査

インタビューでは、インタビュアーが顧客に直接インタビューを行います。
対面や電話、Webなどで実施します。
インタビューは、1対1で行う場合と複数のグループで行う場合があります。

たとえば、少人数(5~6名)の顧客にお願いして、座談会形式でインタビューを行うケースがあります。
複数で行うと発言による顧客間のコミュニケーションが生まれ、会話が発展していく可能性が高まります。
そのため、アンケート等では調査できなかった情報や顧客の本音が見つけられることがあります。
インタビューとアンケートを組み合わせて、調査を行う場合もあります。

 

アンケート調査

アンケート調査は前章で紹介したやり方のほか、サービス会社が提案するツールを活用する方法もあります。

たとえば、アンケートをQRコード化し、店頭やレシートに設置することで、来店した顧客がすぐに回答できるツールがあります。
アンケートの内容は、即時に通知され、店舗の店長などの管理責任者はリアルタイムで確認することができます。
アンケートデータは集計・蓄積され、分かりやすいレポートとして通知されます。

 

覆面調査

覆面調査とは、匿名の経験豊富な専門調査員が、客として来店し行う調査です。

 

覆面調査専門サービス企業では、厳しい審査に合格した専門調査員が、評価基準を明確にした客観的で精度の高い調査を行います。

覆面調査によって、従業員の接客サービスや店舗のコンディションを客観的に調査することができます。
そのため、自店の強み・弱みを発見し、目指す姿と現状のギャップを把握でき、調査結果を効果的に活用することで、着実に顧客満足度を向上させることができます。

覆面調査は、店内で働いているマネージャーや従業員では把握困難な、お客様目線でのチェック手段として機能します。
そのため、客観的な問題点を得ることができ、顧客満足度向上のための改善案を考えることができます。

 

調査結果は、覆面調査会社の専門家によって数値化・可視化され、依頼した経営者や担当者が比較・分析できる分かりやすい調査レポートとして提出されます。
また、数値では表すことができない顧客の本音の部分も、調査員のコメントから知ることができます。

さらに、覆面調査会社に調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案の依頼をするのもひとつの方法です。
覆面調査会社の豊富な調査実績で培った知見を活かし、顧客満足度向上のための具体的な提言・アドバイスを受けることができます。

 

顧客満足度調査のメリット

顧客満足度調査のメリットには、以下の3つがあげられます。

 

•新規顧客の獲得
•サービスの改善
•リピート率向上

 

新規顧客の獲得

顧客満足度が高いと、顧客が発信する自社の店舗や商品・サービスの情報は肯定的な内容になり、クチコミから新規顧客が獲得できる可能性があります。

特に地域性の高いビジネスの場合、SNSを含めた地域のクチコミ情報は、新規顧客の獲得に大きな影響を及ぼします。

顧客満足度が高い状態は、自社の店舗や商品・サービスを利用した顧客が、肯定的に人に伝えるレベルであり、自分自身も再度利用したいと考えているロイヤルティが高いレベルです。

つまり、顧客満足度が高いと、お客様目線での自社の店舗や商品・サービスの評価が高い状態であることが想定されます。
満足度が高い顧客が増えれば、SNSなどでのクチコミを通じて、自ずと新規顧客を獲得できる可能性が高まるでしょう。

 

サービスの改善

顧客満足度調査では、実際に商品を購入した際に感じる、購入前の期待感やコストパフォーマンス、推奨意向、ロイヤルティを含めた多面的な指標で評価されます。

そのため、見込み客づくりの段階から、見込み度合いの育成、購入、購入後のアフターサービスまでに至るまでの顧客接点における課題を見つけることができます。
顧客満足度調査で分かった自社の課題に取り組むことで、顧客に対するサービスの改善が期待できます。

 

リピート率向上

顧客満足度を向上させることで、ロイヤルティが上がり、自社の店舗や商品・サービスを利用する頻度が上がり、より幅広い目的で継続的に利用していきたいという顧客の意識が高まります。
顧客は、自社の店舗や商品・サービスを第一候補に挙げるようになりリピート率が向上します。

 

まとめ

顧客満足度調査とは、顧客が企業や企業が提供する商品やサービスについてどのように評価しているかを調査し、その結果を数値化することです。
顧客満足度向上に向けて、現状を把握し、取り組むべき課題を見つけることができます。
顧客満足度調査の調査方法には、インタビュー調査、アンケート調査、覆面調査がありますので、自社のニーズに合わせ実施してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。