覆面調査って何?メリットや活用方法、調査の流れを解説

コラム

企業や店舗の経営者やCS担当者の多くは、覆面調査について興味をもったことがあるのではないでしょうか。
一方で、覆面調査についてイメージはできるけれど、内容について詳しく知っている方は少ないでしょう。

 

覆面調査は、プロフェッショナルな調査会社を選別して的確に実施すれば、着実にCSアップに導くことができる取り組みです。
日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、現在アメリカでは、小売業をはじめ、銀行や行政機関でも、ほとんどの店舗で導入がすすんでいます。

 

今回はそんな覆面調査に注目して、概要とメリット・デメリット、活用方法、調査の流れを解説します。

 

この記事を読むことで、覆面調査について理解を深め、今後のCSアップに活かせるヒントを得ることができるはずです。

 

覆面調査(ミステリーショッピング)とは?

覆面調査は、ミステリーショッピングやミステリーショッパーとも呼ばれ、匿名の経験豊富な専門調査員が、買い物客となり、実際に買い物をしながら行う調査です。

 

覆面調査専門サービス企業では、厳しい審査に合格した専門調査員が、評価基準を明確にした客観的で精度の高い調査を行います。

 

覆面調査によって、従業員の接客サービスや店舗のコンディションを客観的に調査することができるため、自店の強み・弱みを発見し、目指す姿と現状のギャップを把握することができます。

 

覆面調査の調査内容は、接客サービスや店舗コンディションがメインです。
そのほか、覆面調査専門サービス企業を利用することで、自店の業種・業態や目的に合わせた調査内容のカスタマイズや業界水準(デファクトスタンダード)との比較も可能なケースがあります。

 

覆面調査専門サービス企業では、調査結果を数値化・可視化し、比較・分析可能な報告書として提出します。
また、数値では表すことができない買い物客の本音の部分も、調査員のコメントを見ることで知ることが可能です。

 

さらに、調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案や、覆面調査専門サービス企業が豊富な調査実績で培った知見を活かし、CS向上のための具体的な提言・アドバイス受けることもできます。

 

覆面調査をプロフェッショナルな専門サービス企業を活用して的確に実施し、調査結果を効果的に活用することで、依頼主である企業や店舗は、着実にCSアップすることができます。

 

活用している業界や業種は?

覆面調査は、小売業、飲食業をはじめ、さまざまなサービス業、金融業などで活用されています。
具体的な業界・業種は以下になります。

 

小売業

  • ・総合スーパー
  • ・スーパーマーケット
  • ・ドラッグストア
  • ・ホームセンター
  • ・ショッピングセンター
  • ・ディスカウントストア
  • ・コンビニエンスストア
  • ・アパレル
  • ・百貨店
  • ・Books/CD
  • ・雑貨
  • ・高級ブランド品
  • ・ホームファッション/家具
  • ・家電
  • ・眼鏡
  • ・化粧品
  • ・ペット
  • ・お惣菜
  • ・スイーツ

 

飲食

  • ・ファストフード
  • ・カフェ
  • ・レストラン(和食・中華・イタリアンなど)
  • ・焼肉
  • ・寿司
  • ・居酒屋
  • ・ラーメン

 

サービス業

  • ・カーディーラー
  • ・ガソリンスタンド
  • ・携帯電話
  • ・レジャー(遊園地・水族館・フィットネス・スポーツ・パチンコなど)
  • ・ホテル、旅館
  • ・ブライダル
  • ・美容院、エステ
  • ・学習塾

 

金融

  • ・銀行
  • ・証券会社
  • ・外貨両替

 

覆面調査のメリット

覆面調査のメリットは大きく分けて以下の3点です。

 

  • ●サービスの改善に繋げられる
  • ●マーケティングに活用できる
  • ●従業員を客観的に評価できる

 

この章では、それぞれについて解説します。

 

サービスの改善につなげられる

覆面調査を実施することで、企業や店舗の具体的な問題点が明らかになり、どこに改善の余地があるのかわかるので、改善策を立てやすく、確かな効果が期待できます。

 

覆面調査は、サービスやCS向上のPDCAサイクルにおいて、客観的なチェック手段として機能し、より効果的な改善策へつなげることができます。

 

一方、高い評価を得た取り組みは、水平展開することによって、全社的なサービス向上やCS向上に役立ちます。

 

マーケティングに活用できる

覆面調査を実施すれば、部門、あるいは店舗ごとの調査結果を比較できます。
そのため、、指導・改善にかける時間とコストを、相対的に評価が低かった部門、店舗に重点的に投下できます。
ムダを最小限に抑え、効果的に顧客に価値を与えるためのマーケティング戦略を練ることができるわけです。

 

また、継続的な調査をしていけば、普段から従業員に適度な緊張感が生まれ、接客に対する高い意識を持たせることができるようになります。
これにより、接客レベルや従業員のモチベーションが向上し、顧客満足度アップにつながっていきます。
その結果、定客が増え、来店頻度が高まるというマーケティング効果が期待できます。
また、絶えず顧客満足度の向上に努めることは、重要な競合店対策になります。

 

従業員を客観的に評価できる

覆面調査の調査結果は、社内の評価ではなく、調査員による社外の評価です。
つまり、従業員を客観的に評価することができるわけです。
第三者による客観的な調査は、公平な人事評価を生み、従業員の満足につながります。

 

また、覆面調査では、良い点も正しく評価され、従業員のモチベーションアップにつながります。
さらに、接客レベルの高い従業員を見つけ出し、良い評価を与えることができます。

 

覆面調査を導入する際に気を付けたい点

覆面調査の導入にあたり気をつけたい点は、大きく分けて、以下の2点です。

 

  • ●導入コスト
  • ●従業員へのフィードバック

 

この章ではそれぞれについて、解決策も含め解説します。

 

導入コスト

覆面調査は、専門の調査会社に依頼するため費用が発生します。
費用は、覆面調査を実施する店舗数、調査項目、調査報告書の分析内容によって変わってきます。
また、覆面調査実施後に、改善サポート・研修を実施していく場合は、その費用も考慮していく必要があります。

 

覆面調査の必要性を理解し実施を決めたのであれば、予算は準備しなければならないでしょう。
あわせて費用対効果については必ず考えていく必要があります。

 

費用は、覆面調査を実施する店舗数、調査項目、調査報告書の分析内容によって変わりますので、それぞれの企業や店舗に最適な依頼内容にしていきます。
最適な依頼内容で費用対効果を高めるためにも、安心して相談できる調査会社を探すことが重要になります。

 

従業員へのフィードバック

店舗経営者や店舗で接客する従業員の悩みを解決するために、店舗や従業員を調査して顧客の生の声を伝えるのが覆面調査の役割です。

 

覆面調査で調査員が調査した貴重な意見は調査報告書として調査会社に提出され、調査会社は調査報告書のデータを確認してレポートにまとめます。
調査確認レポートは、店舗や従業員にフィードバックされ、接客やサービスの更なる改善や優秀な結果報告を受けた従業員の表彰制度などに活用されます。

 

一方で、覆面調査を継続的に実施すると、従業員に、接客やサービスの悪い点が指摘されるかもしれないというストレスが生じる可能性があります。
覆面調査を継続的に実施する場合や調査後のフィードバック時には、従業員に、覆面調査は、顧客の生の声知る機会であり、従業員が抱える悩みや問題点を知るきっかけになる点を伝えるべきでしょう。

 

また覆面調査は、第三者による客観的な調査であり、改善点だけでなく、良い点は正しく評価され、接客レベルの高い従業員は、良い評価を与えられるという公平な人事評価につながる点も明確にすべきです。

 

覆面調査の流れ

覆面調査は、専門の調査会社に依頼しますが、一般的には以下の流れで実施されます。

 

ヒアリング

覆面調査は、小売業、飲食業をはじめ、さまざまなサービス業、金融業などで活用されていますので、各店舗の状況や調査の目的は異なります。

 

一方で、依頼主である経営者や企業担当者の多くは、覆面調査について専門家ではありません。
そこで、覆面調査会社のプロフェッショナルな担当者によるヒアリングが重要となります。

 

覆面調査会社のプロフェッショナルな担当者は、専門的な知識と経験を活かして、依頼主である経営者や企業担当者から、覆面調査の目的や、各企業や店舗の状況を聞き出してまとめていきます。

 

また、覆面調査を実施していくために必要な、店舗数、商圏、調査に最適な時間帯などもヒアリングしていきます。

 

覆面調査の内容設計

ヒアリングによって得られた、覆面調査の目的や、各企業や店舗の状況、店舗数、商圏、調査に最適な時間帯などをもとに、具体的な調査内容設計を行います。
プロフェッショナルな覆面調査会社であれば、接客サービスや店舗コンディションのほか、業種・業態や目的に合わせてカスタマイズが可能です。

 

調査内容の例として以下の項目などがあります。

 

売り場づくり

  • ・店内に入りたくなる仕組みはあったか
  • ・商品は見やすいか
  • ・商品は取りやすいか
  • ・商品は運びやすいか
  • ・商品陳列状況に目立つ乱れがなかったか
  • ・価格は分かりやすいか
  • ・売場通路は保たれ買いまわりしやすいか
  • ・季節感のある売場になっているか

 

ホスピタリティー

  • ・擦れ違いあいさつの有無
  • ・擦れ違い声の大きさ
  • ・擦れ違いアイコンタクト
  • ・すれ違い笑顔
  • ・従業員の身だしなみに清潔感はあるか
  • ・名札の名前は読み取りやすいか
  • ・従業員同士で業務以外の私語や雑談をしていなかったか
  • ・作業に没頭している・お客の前を横切る・見たい場所をふさぐといった阻害行為をしている従業員はいなかったか

 

接客スキル

  • ・商品を見ているとスタッフからアプローチがあったか
  • ・アプローチがあった場合その言葉は興味や関心を引くものであったか
  • ・アプローチがあった場合その際にアイコンタクトや笑顔があったか
  • ・商品の質問をすると商品の前まで誘導案内したか
  • ・説明や提案は分かりやすかったか
  • ・ニーズに合わせた商品を具体的に提案したか
  • ・説明やお薦めは笑顔で行ったか
  • ・対応した従業員の印象はどうだったか

 

レジ・チェッカー

  • ・商品を持ちレジに向かうとすぐに気付き商品をお預かりする姿勢は見られたか
  • ・商品の金額お預かりする金額の読上げはあったか
  • ・商品を丁寧に取り扱ったか
  • ・「ありがとうございます」とあいさつはあったか

 

ベストウェルカム

  • ・店内の床に目立つごみや汚れはなかったか
  • ・商品自体の汚れ・破損はなかったか
  • ・照明・明るさは十分か
  • ・レジまわりは整理整頓されていたか

 

調査会社は、調査内容設計をもとに、精度の高い調査が可能な調査員を選定していきます。

 

覆面調査による現状把握と数値化

覆面調査では調査員が一般顧客と同じように店舗や企業に来店し、手続きや買い物をしながら店員や店舗の様子をあらかじめ決められた調査手順書の項目・基準に沿って調査内容をチェックします。

 

覆面調査で、調査員が一般顧客と同じように店舗や企業に来店し、手続きや買い物をしながら店員や店舗の様子をチェックすることで、顧客の生の声についてはほとんど知る機会がないという企業や店舗、従業員の現状把握ができるわけです。

調査会社は、調査結果を数値化・可視化します。

 

フィードバック

調査会社は、数値化・可視化された調査結果を比較・分析可能な報告書として依頼主である経営者や担当者にフィードバックします。
企業や店舗では、必要に応じて従業員にフィードバックをしていきます。

 

改善・サポート

フィードバックの内容をもとに改善を実施していきます。
覆面調査は継続することでより効果が高まります。
1回目の調査で改善項目となった点を改善していき、2回目の調査で改善度合いを確認していくといったサポートを継続するとよいでしょう。

プロフェッショナルな覆面調査会社の中には、調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案、研修などを行う改善・サポートを提案している会社もあります。
調査会社は、豊富な調査実績で培った知見を活かし、CS向上のための具体的な提言・アドバイスを行います。

 

まとめ

覆面調査は、匿名の経験豊富な専門調査員が、買い物客となり、実際に買い物をしながら行う調査です。

 

覆面調査は、サービスの改善につなげられる、マーケティングに活用できる、従業員を客観的に評価できるといったメリットがあります。

 

覆面調査は、プロフェッショナルな専門サービス企業を活用して正しく実施すれば、着実にCSアップに導くことができる取り組みです。
企業や店舗の経営者やCS担当者は、覆面調査の実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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AJIS

経験豊富な専門調査員が、接客サービスや店舗のコンディションを客観的に調査。
自店の強み・弱みを発見し、目指す姿と現状のギャップを把握することができます。
サービス・オブ・ザ・イヤーの調査実績から、
業界水準(デファクトスタンダード)との比較も可能。
調査結果を効果的に活用することで、着実にCSアップに導くことができます。

著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。