お歳暮・クリスマス・年末年始に売上 をアップする接客術
目次
お歳暮・クリスマス・年末年始のいわゆる年末商戦では、接客も非常に重要です。接客の質が低いと、売上をアップできる機会を無駄にしてしまう可能性があります。
そこで、本記事ではお歳暮・クリスマス・年末年始などの年末商戦に売上をアップさせるための接客術について解説します。早い段階で接客レベルを向上させ、年末商戦を成功へ導きましょう。
お歳暮・クリスマス・年末年始は「年末商戦」
年末商戦というのは、お歳暮・クリスマス・年末年始などの時期を指します。 なお、明確な開始・終了日は定まっていません。
一般的には、11月後半から12月末までが主な期間とされています。また、年末商戦の時期には、「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」といった世界的なセールイベントも含まれます。
企業側としては、消費者の購買意欲が高まる、売上アップの絶好の機会です。
お歳暮・クリスマス・年末年始で売上をアップするための接客術
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期に売上をアップさせるためには、接客も重要な要素です。接客の質が低いと、機会損失を招く可能性があります。
以下では、それぞれのシーンや業種に合わせた接客術を解説します。前年よりも売上を高め、来年に繋げていくためにも、ぜひ参考にしてください。
【クリスマス】お客様の層に合わせた接客
クリスマス時期の接客では、お客様の層に応じた柔軟な対応を行いましょう。お客様の層によって、気を配る点が異なるからです。
例えば、家族連れには、両親と子どもに気を配ります。カップルや夫婦には、ゆったりとした接客を心がけ、会話をさえぎらないよう注意します。家族連れやカップル、夫婦に対しては、購入決定者が誰であるかを自分の中で決めつけず、どちらも(家族連れの場合は両親のどちらも)潜在顧客として大切に扱いましょう。友人同士の来店時は、会話をさえぎらないように注意しつつ、時折、共感してあげると良いでしょう。また、連れられて入店した側のお客様も潜在顧客として大切に扱い、接客時の会話もさりげなく双方に振りましょう。
お客様のペースに合わせた距離感が、顧客満足度と売上の向上につながります。
【年末年始】忘年会の告知・予約フォロー
飲食店の場合、忘年会シーズンの予約時は、お客様とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。電話予約の際は、クロスセルやアップセルの絶好の機会です。クロスセルとは、お客様が購入しようとしている商品/サービスを関連のある別の商品/サービスを提案し、購入を促す手法です。アップセルとは、お客様が購入しようとしている商品/サービスより高価な別の別の商品/サービスを提案し、購入を促す手法です。
例えば、「プラス1,000円で2時間の飲み放題」や「500円追加でデザートをグレードアップ」などの提案をさりげなく行うと良いでしょう。簡単な声かけが、売上アップに直結します。
また、予約後のフォローもあると、「他にはない良い対応があるお店」という印象を与えることができるでしょう。店舗の事情もあるため、すべてに対応することは難しいですが、例えば メニュー(コース)の変更や人数の確認、変更など、細やかな対応ができれば顧客満足度は高くなるでしょう。
【年末年始】忘年会のリピーター獲得
飲食店の場合、忘年会シーズンはリピーター獲得の絶好の機会です。忘年会での接客に満足してもらえれば、今後も好意的にお店を使ってもらえます。
特にコミュニケーションをとっておきたいのは、宴会の幹事です。幹事との会話を通じて、来店動機や好みの料理・ドリンク、職種、近隣のお気に入り店舗などの情報を収集しましょう。可能であれば席担当スタッフを決め、より親密な関係を構築で きると、今後の利用にもつながりやすいでしょう。
これらのコミュニケーションが、次回の来店動機を作ります。
【お歳暮・クリスマス】商品を提案する
お歳暮やクリスマスなど、お客様は大きな買い物に迷いがちです。そのため、積極的にお客様のニーズを聞き出し、「こちらの商品がおすすめです」と明確に提案してあげましょう。その際、その商品のどのような特長がお客様のニーズに合うのかを説明することで、お客様の決断を促し、売上につながります。
お歳暮であれば、贈る相手との関係性を聞き出し、適した商品を提案します。プレゼントや手土産であれば、人数、相手の好み、関係性、日持ちに対する希望などを聞くと良いでしょう。迷っているお客様には、積極的に商品を絞り込んで提案していきましょう。
【お歳暮・クリスマス】ギフト対応の強化
お歳暮やクリスマスの時期は、ギフト需要が急増します。そのため、プレゼント用ラッピングに丁寧に対応できるようにしておきましょう。
例えば、可能であれば ラッピングの種類を増やしたり、メッセージカードのオプションを用意したりすることも効果的です。
同時に、配送を頼まれた場合の対応方法など、物流面の確認も予め行っておきましょう。確実な届け先指定や時間指定など細やかな対応が求められ、ミスで要望通りに対応できなかった場合には顧客満足度が著しく低下する可能性があります。
これらのギフト対応の強化が、リピーターの増加や長期的な売上アップにつながります。
【お歳暮・クリスマス・年末年始】事前の告知
お歳暮・クリスマス・年末年始でイベントやセールなどを行う場合は、10月頃から既存顧客への告知を開始しましょう。早めの情報提供で既存顧客の意識を向け、購買意欲を刺激し、売上を獲得できるでしょう。
例えば、飲食店などの法人向けの忘年会予約は、この時期に案内を送ることで、早期の予約獲得につながります。とはいえ、 人数や日にちなどが未確定である可能性が高いので、仮予約を受け入れる旨を明記するとより効果的でしょう。キャンセル料などによるトラブルを防ぐため、キャンセル料が発生する前に一度飲食店から幹事に連絡をし、正式な予約として受け付けるかを確認するなどの対応ができると、サービスの提供に対するお互いの満足度はグッと高まるでしょう。
お歳暮やクリスマスギフトなどは、予約受付開始日を伝えることで、購買を促すことができます。
チラシやSNSを活用し、セールの開始日や特別イベントの情報を事前に周知しましょう。
お歳暮・クリスマス・年末年始に向けた準備も忘れずに
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期に、接客の力を最大限に発揮するためには、事前準備も必要です。どれだけ接客の質が良くても、品物が売り切れていたりお店自体に何かしらの問題があったりすれば、顧客満足度は下がってしまいます。
以下で、お歳暮・クリスマス・年末年始に向けて必ず行っておくべき準備について解説します。
お歳暮・クリスマス・年末年始に合わせた商品の開発
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期にお客様が期待しているのは、「特別な商品」です。せっかくのイベント時期に特別感を味わえないとなれば、他のお店を選んでしまう可能性もあります。
そのため、飲食店であれば忘年会や新年会向けのパーティーメニュー、イベント限定プレートなどの特別メニューを開発しておきましょう。お歳暮やクリスマスのプレゼントであれば、特別セットや福袋の企画も考えておきましょう。
イベントごとに特色あるメニューや商品を用意することで、予約や来店の動機付けを強化できます。
スタッフの人員確保
お歳暮・クリスマス・年末年始は、お客様が急増する時期であると同時に、スタッフも休みをとる時期です。そのため、適切な人員確保が必要になります。
特に学生やダブルワークのアルバイトは、イベント参加やテスト期間/レポートの準備、冬期休暇で不在の可能性があります。シフト調整を早期に行い、人員不足を防ぎましょう。
小規模店舗でも、クリスマスや年末には一時的な増員が必要になる場合があるので、 年末商戦に向けて余裕をもった人員確保を行いましょう。
予約システムの導入と整備
お歳暮・クリスマス・年末年始などの繁忙期に合わせた予約システムの導入も必須です。電話のみの対応だとやり取りの間に誤解が生じるリスクがあり、また単純に電話の取り逃しも発生しやすく、売上機会を逃す原因となります。
この問題を解決するため、オンライン予約システムの導入が効果的です。24時間対応可能で、メニューや料金の詳細も確認できるようにすれば、利便性が向上し、顧客満足度が高まるでしょう。
ただし、新システム導入時は、スタッフ全員が操作に慣れるよう、早めの準備と研修を行いましょう。
イベント感のあるレイアウト
クリスマスや年末の繁忙期には、通常時とは異なるイベントを感じさせる店内レイアウトを施しましょう。季節感のある装飾を施すことで、特別な雰囲気を演出できます。
例えば、クリスマスツリーや正月飾りなどが代表的です。
店内レイアウトを改善することで、スタッフのモチベーションも高まり、全体的なお店の雰囲気が盛り上がります。
お歳暮・クリスマス・年末年始に売上損失を避けるための注意点
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期を最大限に活用するために、以下の注意点も意識しておきましょう。
- 在庫不足客足の分散
- スタッフのモチベーション低下
- 繁忙期後の対策
上記の対策を行うことで、長期的な売上アップにつながります。以下で具体的な対策を解説します。
在庫不足
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期は、在庫不足に注意しましょう。注文数の急増と年末年始休暇による仕入れの不安定さによって、在庫不足になりやすい時期です。
しかし、仕入れ過多によるロスにも注意しなければなりません。そのため、仕入れの適切な管理を行いましょう。
客足の分散
お歳暮・クリスマス・年末年始の時期は、混雑する時間が集中しがちです。この偏りを解消し、客足を分散させるため、時間帯別の戦略を練っておきましょう。
例えば、飲食店の場合、早い時間帯にはドリンクサービスや割引の導入、ランチタイムには特別クーポンを提供するなどの方法があります。お歳暮やクリスマスのプレゼントであれば、タイムセールのような施策も考えられます。
これらの施策により、混雑時間帯が分散され、より丁寧な接客を行うことができます。
スタッフのモチベーション低下
お歳暮・クリスマス・年末年始のような繁忙期は、スタッフのモチベーション低下が接客の質を下げてしまいます。そのため、スタッフに対する接し方も考えておかなければいけません。
繁忙期は通常以上にアクシデントやミスが起きやすい時期です。マニュアルや研修で対策を講じても、完全な防止は困難です。しかし、ミスなどがあっても必要以上に個人を責めることはせず、ミスが起きた原因を分析し、今後再発を防止するために何をすべきかを判断するようにしましょう。
繁忙期は、スタッフも通常以上に頑張っています。ですので、むしろスタッフの努力に対して、感謝の気持ちを伝えるようにすると、スタッフのモチベーション低下も防ぐことができるでしょう。
繁忙期後の対策
繁忙期後のリピート率向上の施策も検討しておきましょう。お歳暮・クリスマス・年末年始の時期は、一時的に売上がアップしますが、リピーターを増やすための絶好の機会でもあります。
効果的な方法として、年末予約時に翌年まで使えるクーポンを配布したり、ポイントカードを発行したりする方法があります。また、また、SNSフォローで特典を提供するなどで、お客様とのタッチポイントを作っておく方法も良いでしょう。
まとめ
お歳暮・クリスマス・年末年始の年末商戦は、大きな施策を打たなくても自然と売上が高くなる傾向にあます。しかし、そのような機会だからこそ、売上を最大化するための接客やサービスを考え、準備しておくことが大切です。
今回紹介したような一つひとつの方法が、お歳暮・クリスマス・年末年始の売上を最大化し、長期的な売上につなげていきます。年に1回のチャンスを逃さないためにも、ぜひ実践してみてください。
著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。