効果的なインバウンド対策とは?成功事例や効果的な方法をご紹介

コラム

日本では、コロナウイルス感染症によって訪日外国人の数が大きく減少しました。
しかし、アフターコロナの昨今では、訪日外国人の数が大きく増加し、2023年の訪日外国人旅行消費額は過去最高の5兆2,923億円までとなりました。
そこで、企業のビジネスチャンスを広げるために大切なのが、インバウンド対策です。
本記事では、インバウンド対策に効果的な方法や成功事例について解説するので、ぜひ企業の今度の可能性を広げるため、参考にしてください。

 

 

インバウンド対策の特徴

インバウンド接客

 

具体的なインバウンド対策の方法を知る前に、昨今の傾向について理解しておきましょう。
「インバウンド対策」とひとえにいっても、過去と今では対策の方法が異なります。
具体的な現在の傾向について解説しますので、売上に貢献できる対策を実施する際の参考にしてください。

 

 

今のインバウンド対策は「質」重視へ

日本のインバウンド対策は、これまで訪日外国人観光客数の増加を目標に、ビザ発給要件の緩和や事業者支援などの施策を打ってきました。
その結果、訪日外国人数は大幅に増加しました。
しかし、今後は量的拡大から質的向上へと転換し、滞在日数の増加、リピーター獲得、高付加価値サービスの提供などに取り組むことが重要です。
そのため、これからの企業は外国人観光客のニーズに合った高品質なサービスを提供していくことが求められています。

 

訪日中国人の傾向

中国人インバウンドの新傾向は、日本の大衆料理、四季の体験、温泉入浴、自然・景勝地観光への関心の高まりです。
買い物では、「商品を直接確かめたい」「新品・限定品を好む」「自由に見たい」「品質重視」といった傾向があります。
これらの傾向を踏まえ、きめ細やかなサービスを提供することが求められます。

 

訪日フランス人・ドイツ人の傾向

ヨーロッパ、特にフランス・ドイツからの訪日客は滞在日数が長く、半数以上が2週間以上滞在します。
ただし、その大半は訪日初心者です。
そのため、旅中の一人当たり消費単価が高く、東京観光に加え、食・文化・体験・アート・景勝地・自然を楽しめるコンテンツへの関心が高い傾向があります。
また、サステイナブルなライフスタイルを意識する人が多いことにも留意が必要です。
これらの特徴を踏まえ、多様なニーズに応えるきめ細やかなサービスの提供が重要と言えるでしょう。

 

 

インバウンド対策の準備

インバウンド対策を実施するには、十分な準備をしておく必要があります。
今日明日からいきなりインバウンド対策を進めても、すぐに成功するわけではないからです。
訪日外国人に満足してもらうには、相手に合わせたサービスを充実させなければいけません。
以下で、具体的な準備について解説します。

 

 

言葉の壁への準備

インバウンド対応において、自社サービスの多言語化は非常に重要です。
たとえば飲食店の場合であれば、多言語対応のメニューを用意したり、タブレットでの注文システムを導入したりする方法が効果的でしょう。
さらに、スタッフの語学研修を実施し、簡単な接客フレーズやメニューの説明ができるようにすることも大切です。
また、文化や習慣の違いを理解した適切な対応も求められます。

 

インバウンド向け決済サービスの準備

キャッシュレス化は、インバウンド対応において非常に重要な要素です。
海外では、キャッシュレス決済が広く普及している国や地域が多くあります。
特に、中国では、アリペイや微信支付といったQRコード決済が主流となっており、現金を使用する機会は非常に限られています。
一方、日本では、キャッシュレス化が進みつつあるものの、いまだに現金払いの文化が根強く残っています。
この状況は、訪日外国人観光客にとって大きな不便を感じさせるだけでなく、店舗にとっても大きな機会損失につながりかねません。
したがって、インバウンド対策として、電子マネーやスマートフォン決済などのキャッシュレス決済を充実させる準備をおこなっておきましょう。

 

インバウンド向け研修

スタッフのインバウンド向け研修も実施しておきましょう。
研修をおこなわないまま訪日外国人の接客をしても、言語や文化の違いに戸惑ってしまい機会損失に繋がる可能性があるからです。
たとえば、語学研修を実施し、簡単な接客フレーズやメニューの説明ができるようにしたり、文化や習慣の違いを理解したりするための研修がよいでしょう。
事前の研修を実施しておくことで、一人ひとりの従業員が訪日外国人への抵抗やハードルを感じずに売上に貢献できる接客をおこなえるようになります。

 

 

効果的なインバウンド対策のポイント

 

効果的なインバウンド対策を実施するためのポイントを解説します。
訪日外国人向けの接客やサービスは、国内の方法とは異なります。
具体的なポイントを解説しますので、インバウンド対策の参考にしてください。

 

 

訪日外国人目線をもつ

訪日外国人の目線で価値観を理解し、何が喜ばれ、何が求められているかを把握しましょう。
なぜなら、日本人が良いと感じる商品やサービスが外国人にとっても同様に魅力的であるとは限らないからです。
文化的背景や価値観の違いによって、外国人の嗜好は日本人とは大きく異なる場合があります。
例えば、日本人にとって当たり前の和文化は、外国人に非常に魅力的に映ります。
また、日本の高品質なサービスや、きめ細やかな気配りは、外国人から高い評価を受ける傾向にあります。
一方で、日本人好みのかわいらしいデザインや、控えめな色使いは、あまり受け入れられません。
したがって、インバウンド対応を進める際は、外国人の視点に立って、自社の商品やサービスを見直し、売上に貢献するサービスを検討しましょう。

 

体験価値を提供する

インバウンド対策は、一人ひとりへの質の高いサービスを提供する事が求められています。
その鍵となるのが、「体験価値」です。
日本には、豊かな自然、歴史、文化、食など、他国にはない独自の魅力が数多くあります。
これらを活かし、外国人が感動し、忘れられない思い出を作ることができる体験を提供することが大切です。
例えば、以下のような取り組みが考えられます。

  •  特別感のある体験の演出
  •  カスタマイズされたサービスの提供
  •  記憶に残る演出の工夫

サービスの価値をより顕著に感じてもらうことで、満足度を向上できるでしょう。

 

外国人向けブランディング

ブランディングは、インバウンド対策において非常に重要な役割を果たします。
「企業や商品、サービスなどがどのように見られたいか」というイメージを形成し、ターゲットに認知してもらうことは、訪日外国人の獲得や満足度の向上につながります。
特に、「海外の人を受け入れている」という姿勢を示すことは、インバウンド対策におけるブランディングの核となる部分です。
たとえば、多言語対応はブランディングを実現するための重要な要素の一つです。
外国語だけで書かれたWebサイトを見て、日本人が「利用してみたい」と思うケースはほとんどありません。同様に、日本語だけで書かれた情報では、外国人の興味を引くことは難しいでしょう。
ただし、ただし、多言語対応は、あくまでもブランディングの一部に過ぎません。
「海外の人を受け入れている」という姿勢を示すためには、言語の壁を取り除くだけでなく、文化的な違いへの理解や、きめ細やかなおもてなしの心も欠かせません。

 

 

インバウンド対策研修の成功事例

インバウンド対策として、研修の実施を検討してみましょう。
従業員全体に対して研修をおこなえば、今後の訪日外国人向けサービスを展開するにあたり、大きな強みになります。
実際におこなった研修の事例を参考にしながら解説します。

 

インバウンド対策研修の流れ

実際におこなった研修では、以下のような流れを組みました。

インプット ・欧米・中国圏のそれぞれの特徴を簡易テキストにて配布

・研修前に事前知識をインプットすることで、実践での理解度を向上させる

アウトプット 実際の店舗にて想定シーンを英語、中国語を用いて実践的な内容で実施
ゴール 訪日外国人に自信をもって接客ができる

ロールプレイングでは、2時間の研修を計4回実施。
これにより、自信をもった接客をおこなえるようになりました。

 

店舗で直ぐに使えるフレーズで接客力向上

研修のインプットでは、簡易テキストで欧米や中国の文化や言葉について理解してもらいます。
ただし、言葉についてはすべてを覚えてもらうわけではなく、「かしこまりました」「お待たせいたしました」「またどうぞお越しください」などの、店舗ですぐに使えるフレーズのみを覚えてもらいます。
その後、同じく研修中のロールプレイングを行うことで練習し、すぐに使える接客フレーズを身につけていきます。

外国語での接客は、多くの従業員にとってまだまだ馴染みのないことですが、ハードルを下げて「やってみよう!」と思うことが重要です。
研修は、意識を変える上でとても良いきっかけとなるでしょう。

 

研修後の従業員の声

研修後の従業員の声を紹介します。
多くの従業員が、研修に満足していました。
• インバウンド接客への抵抗感、ハードルを下げる内容であった。
• 海外の方のマインドや文化を知ることができ有益であった。
• 具体的なシチュエーションを想定した海外のお客様のマインド等のお話も多く、すぐ実践できる内容であった。
研修をおこなったことにより、実際のシーンをイメージでき、訪日外国人への接客に自信を持てるようになっています。

 

 

まとめ

これからの多くの企業にとって、インバウンド対策は必須になります。
訪日外国人が増えているなかで、インバウンド対策を講じない企業は大きな機会損失になってしまうでしょう。
とくに観光エリアで外国人が多く訪れるエリアで接客を伴うサービスにおいては、対外国人向けの言語や文化に合わせた日本ならではのおもてなしが重要です。
訪日外国人の満足度を高めるために、ぜひ研修の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

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プログラム例

  • 「お客様視点」接客基本研修
  • 【参加型】「実践」接客研修
  • 「コミュニケーション⼒が向上する」店⻑研修
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  • 実践 クレーム対応
  • 思わず⼿に取りたくなる商品陳列
  • 接客基本研修「おもてなし」の極意
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著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。