飲食店で覆面調査を利用するメリットは?活用方法や注意点、事例を紹介
目次
飲食店の課題や問題点をお客様目線で抽出するために、覆面調査を利用するケースがあります。
お客様目線の課題や問題点が分かれば、飲食店経営者は、顧客満足度向上に適した、店舗改善や従業員教育を進めることができるでしょう。
一方で、覆面調査について詳しくない飲食店経営者も多いはずです。
そこで今回は、覆面調査の概要を含め、飲食店で覆面調査を利用するメリット、活用方法、注意点、事例を詳しく紹介します。
この記事を読むことで、飲食店の覆面調査活用について理解を深めることができるはずです。
飲食店でよくある問題・課題
飲食店の問題・課題は、飲食店の経営原則「QSCA」に基づく項目が多いでしょう。
「QSCA」とは以下の4つの項目のことで、飲食店を経営するうえで基本方針としている飲食店は多いはずです。
「QSCA」に照らして飲食店でよくある問題・課題を整理してみましょう。
Q(quality)クオリティ(料理の品質)
・ 料理は顧客が求めるクオリティを満たしているか
S(service)サービス(接客サービス)
・ 従業員は顧客に対し、気配りを実行しているか
・ 従業員は顧客に対し、笑顔の接客を実行しているか
・ 従業員は顧客に対し、適切な挨拶を行っているか
C(cleanliness)クリンリネス(清潔・清掃)
・ 店内の床に目立つごみや汚れはなかったか
・ 照明・明るさは十分か
・ レジまわりは整理整頓されていたか
A(atmosphere)アトモスフィア(良い雰囲気)
・ 店舗内は顧客が過ごしやすい良い雰囲気か
・ 従業員は良い雰囲気を醸し出していたか
・ 従業員同士は良い雰囲気で仕事をしているか
問題の抽出や改善には覆面調査がおすすめ
飲食店でよくある問題・課題を実際に抽出するためには、店の状況を把握する必要があります。
さらに、飲食店の問題・課題は、お客様目線でなければなりません。
これを踏まえると、飲食店の問題の抽出や改善には覆面調査が適しています。
この章では、覆面調査の概要と覆面調査を活用した問題の抽出や改善について解説します。
覆面調査とは?
覆面調査とは、匿名の経験豊富な専門調査員が、客となり来店し、実際に飲食をしながら行う調査です。
覆面調査専門サービス企業では、厳しい審査に合格した専門調査員が、評価基準を明確にした客観的で精度の高い調査を行います。
覆面調査によって、従業員の接客サービスや提供される商品の評価、店舗のコンディションを客観的に調査することができるため、自店の強み・弱みを発見し、目指す姿と現状のギャップを把握することができます。
覆面調査の調査内容は、接客サービスや提供される商品の評価、店舗コンディションがメインです。
そのほか、覆面調査専門サービス企業を利用することで、飲食店ならではの業態や目的に合わせた調査内容のカスタマイズや、業界水準(デファクトスタンダード)との比較も可能なケースがあります。
覆面調査を活用した問題の抽出や改善
覆面調査専門サービス企業では、調査結果を数値化・可視化し、比較・分析可能な報告書として提出します。
また、数値では表すことができない客の本音の部分も、調査員のコメントを見ることで知ることが可能です。
覆面調査を活用することで、飲食店の抱える問題の抽出ができるわけです。
さらに、調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案や、覆面調査専門サービス企業が豊富な調査実績で培った知見を活かし、サービス向上のための具体的な提言・アドバイス受けることもできます。
覆面調査をプロフェッショナルな専門サービス企業を活用して的確に実施し、調査結果を効果的に活用することで、依頼主である店舗は、着実にサービスレベルを向上させることができます。
飲食店での覆面調査のメリット
飲食店での覆面調査のメリットは大きく分けて以下の3点です。
・ 店の問題点を発見できる
・ お客様目線で改善案を考えることができる
・ 従業員への教育に活用できる
店の問題点を発見できる
覆面調査を実施することで、店の具体的な問題点を発見できます。
問題点が明確になることで、どこに改善の余地があるのかわかるので、改善策を立てやすく、確かな効果が期待できます。
お客様目線で改善案を考えることができる
覆面調査は、匿名の経験豊富な専門調査員が、客として来店し、実際に飲食をしながら行う調査であるため、店内で働いているマネージャーや従業員では把握困難な、お客様目線でのチェック手段として機能します。
そのため、客観的な調査結果を得ることができ、お客様目線で改善案を考えることができるわけです。
従業員への教育に活用できる
覆面調査の調査結果は、社内の評価ではなく、調査員によるお客様目線での評価です。
つまり、従業員に対する客観的な評価を得ることができるわけです。
客観的な評価は、従業員の納得感につながり、従業員への適切な教育に活用できます。
また、高い評価を得た店のサービスや従業員の事例は、店舗内で共有することによって、店全体のサービス品質を向上させることができます。
覆面調査会社を使うメリットは?
覆面調査会社を使うメリットは大きく分けて以下の2点です。
・ 専門家による調査レポート
・ 顧客満足度向上のためのサポート
専門家による調査レポート
覆面調査会社では、厳しい審査に合格した専門調査員が、評価基準を明確にした客観的で精度の高い調査を行います。
調査結果は、覆面調査会社の専門家によって、数値化・可視化され、依頼した経営者や担当者が比較・分析できる分かりやすい調査レポートとして提出されます。
調査レポートには、より実践的に活かせる情報として、実際に覆面調査を行った調査員のコメントも付けられています。
専門家による調査レポートによって、サービス向上や店舗の改善に役立つお客様目線のデータを獲得することができます。
顧客満足度向上のためのサポート
覆面調査会社では、依頼主の要望に応じて、調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案を行うケースがあります。
専門的な覆面調査会社による覆面調査を実施することで、具体的な問題点が明らかになり、どこに改善の余地があるのかわかるので、改善策を立てやすく、確かな効果が期待できます。
また継続的な調査により、普段から従業員に適度な緊張感が生まれ、接客に対する高い意識を持たせることができ、接客レベルの向上が期待できます。
覆面調査会社による覆面調査では、良い点も正しく評価され、従業員のモチベーションアップにつながります。
さらに、接客レベルの高い従業員を見つけ出し、良い評価を与えることができます。
第三者による客観的な調査は、公平な人事評価を生み、従業員の満足につながります。
接客レベルの向上や従業員のモチベーションアップにより顧客満足度がアップし、固定客が増え、来店頻度が高まることが期待できます。
また、絶えず顧客満足度の向上に努めることは、重要な競合店対策になります。
覆面調査会社では、依頼主の要望に応じて、顧客満足度向上のためのサポートを行うケースがあります。覆面調査会社が蓄積した豊富な調査実績で培った知見を活かし、顧客満足度向上のための具体的な提言・アドバイスを得ることができます
覆面調査の注意点
覆面調査の注意点は、大きく分けて以下の2点です。
費用がかかる
覆面調査は、専門の調査会社に依頼するため費用が発生します。
費用は、覆面調査を実施する店舗数、調査項目、調査報告書の分析内容によって変わってきます。
また、覆面調査実施後に、改善サポート・研修を実施していく場合は、その費用も考慮していく必要があります。
覆面調査の必要性を理解し実施を決めたのであれば、予算は準備しなければならないでしょう。
あわせて費用対効果については必ず考えておく必要があります。
費用は、覆面調査を実施する店舗数、調査項目、調査報告書の分析内容によって変わりますので、それぞれの企業や店舗に最適な依頼内容にしていきます。
最適な依頼内容で費用対効果を高めるためにも、安心して相談できる調査会社を探すことが重要になります。
また覆面調査は、第三者による客観的な調査であり、改善点だけでなく、良い点は正しく評価され、公平な人事評価につながる点も明確にすべきです。
飲食店での覆面調査の活用事例
全国展開で急速に成長しているラーメン店K社では、従業員の定着率が非常に高いA店の覆面調査の結果を「K社らしさ」を創造していくために欠かせない成功事例として、全国の店舗や従業員にトップダウンで継承しています。
A店は、職場の人間関係良いというだけではなく、店舗運営のための勉強も、真面目かつ積極的に行っている店舗であり、従業員の定着率が非常に高い店舗であることは、社内で認識されていました。
覆面調査会社による覆面調査による、お客様目線の客観的な調査によって、以下の具体的な工夫に評価がでています。
・ 「笑顔・元気・気配り」というA店のコンセプトとして掲げている言葉が、その通り、スタッフの全身の気配りや笑顔の接客で実現している。
・ メニューを置く位置に強くこだわり、メニューホルダーに立てかけるのではなく、テーブルの上に扇型に広げて置く方法をとっている。ランチタイムメニューを一番上に配置することで、お客は席に着くと同時にメニュー選びを瞬時に行える。業務の時短にも有効だろう。
・ ラーメン店でよく聞かれる「へい!らっしゃい!」といった言葉は使わない。「いらっしゃいませ、こんにちは」。物腰の柔らかな、親しみのこもった声がけはどこか品がよく、好印象だ。言葉遣い一つで心に余裕が生まれ、スタッフは安心感を抱くと思われる。スタッフ同士にも思いやりの心が生まれるだろう。店内が常にアットホームな空気感に包まれているのは、言葉遣いが作用しているようだ。
調査員はよかったポイントとして以下の3点をあげています。
・ 明るくテキパキとした口調で分かりやすい案内があり、とても好印象だった。親切で良く気がつくスタッフだと感じた。
・ 忙しい時間帯であったが、食後の食器はすぐさまに片付けるなど逐一丁寧に作業をしていたので大変印象がよかった。
・ 次から次へテキパキと精算をこなし、待たされているという感じがないほどスムーズな応対がとてもよかった。
さらに、感動したサービスポイントとして、アルバイトスタッフの手作りポスター、完成度の高い手描きメニュー、ポイントカード紹介の小型ポスターなど、店内はスタッフの手作りが溢れており、アットホームな印象を創造している点を上げました。
まとめ
飲食店で、覆面調査を利用するケースがあります。
覆面調査を活用して、店の問題点を発見して、お客様目線で改善案を考え、店舗改善や従業員への教育を適切に実施するためです。
覆面調査の実施は、専門の覆面調査会社を利用するのがおすすめです。
専門の覆面調査会社を利用すると、店舗経営者や担当者が比較・分析できる分かりやすい調査レポートを受け取り、顧客満足度向上のためのサポートを受けることができるためです。
飲食店の問題の抽出や改善に、専門の覆面調査会社を利用した覆面調査を検討してみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。