再来店意向につながるスキル分析~スタッフの好印象はこんなところで生まれている!~
再来店意向を高めるサービス・スキルの勘どころ
~スタッフの好印象はこんなところで生まれている!~
毎回、本調査では調査項目のうちのCS(カスタマーサティスファクション)についてのリサーチにおいて「今日調査した店に再来店したいと思うか」という質問をしている。
このお客としての再来店の意向、つまり“また来たい店”へのヒントはどこにあるのかを確認するために「売場づくり」「ホスピタリティ」「接客スキル」「レジ・チェックアウト」「ベストウエルカム」の調査項目のどの項のポイントが、再来店の意向に結びついているのかを調査してみた。再来店意向と、それぞれのデータ間の影響度合いを見る相関係数を使って調べてみた。
具体的には図表①の通り、相関係数(R)が高いほど再来店意向に強い影響を与えることを意味している。
図表①相関係数の目安
従業員の好印象はあいさつ、笑顔、アイコンタクト
2020年も2019年と同様に、総合の達成率と再来店意向には0.74と強い関係性が見られた(昨年も0.74)。調査部門別では、接客面の3つの部門(ホスピタリティ0.48、接客スキル0.49、レジ・チェッカー0.46)において2019年と同様の相関関係が見られた。
図表②各調査の大分類の相関係数
(相関係数の項は2020年の数値、以下同)
各部門ごとの従業員の雰囲気・印象の調査項目と他の調査項目間との関連性の強さを相関係数を使って掘り下げてみた(図表③)。
図表③従業員の好印象と相関係数の高い項目
ホスピタリティ部門の“従業員は声をかけやすい雰囲気だったか”と関連性が見られた項目は「あいさつの有無」0.56、「声の大きさ」0.57、「アイコンタクト」0.56、「笑顔」0.44。
接客スキル部門の“対応した従業員の印象はどうだったか”と関連性が見られた項目は「アプローチの際にアイコンタクトや笑顔があったか」0.47、「誘導案内時の際にアイコンタクトや笑顔があったか」0.39、「説明やお勧めは笑顔で行ったか」0.55。
レジ・チェッカー部門の“会計をしたスタッフの印象はどうだったか”と関連性が見られた項目は“あいさつ時にアイコンタクトはあったか”0.48、“あいさつ時に笑顔はあったか”0.62、“次回来店を促す言葉を添えたか”0.49。の項目であった。昨年同様にどの部門においても“あいさつ・アイコンタクト・笑顔”の3項目は従業員の印象項目と強い関連性が見られ、従業員の印象をアップするための必須スキルといえる。
しかしながらこの再来店意向を左右する重要スキルである、「ホスピタリティ」部門のすれ違い項目(挨拶の有無、声の大きさ、アイコンタクト、笑顔)は3年連続で低下しているし “従業員は声を掛けやすい雰囲気だったか(49.0)”は過去3年間で最低となっている。
「接客スキル」部門は過去3年間改善(71.9→72.6→72.9)がされてきているだけに、その前段階である接客の環境面(従業員から歓迎されていると感じるかどうか)の部分を高めていかないと、ホスピタリティと接客スキルの連動が生まれず、CSの抜本的な向上は難しい。この点は、改善がのぞまれる。
「接客スキル」部門で他に関連性が見られた項目は昨年同様で“従業員からニーズの聞き出しがあったか”0.52、“質問に分かりやすく応えていたか”0.62、“ニーズに合わせた商品を具体的に提案したか” 0.57。であった。いずれの項目も再来店に結びつくものと考えられ、接客スキルの中で重要な項目といえる。
またレジ・チェッカー部門での項目では“あいさつ時にアイコンタクトはあったか”0.48、“あいさつ時に笑顔はあったか”0.62、”“次回来店を促す言葉を添えたか”が0.49であった。こちらもやはりCSを向上させるうえでの必須項目だ。
■各調査詳細項目と再来店意向の相関係数
著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。