売り逃がしを防ぐ!接客で大切な声がけのタイミングとは?

コラム

接客業において、「売り逃し」は単なる未購入ではなく、大きな機会損失です。お客様が興味を持って来店しているそのときこそ、売上アップのチャンスです。ちょっとした対応や提案の差が、購買意欲を大きく左右するでしょう。
このような場合に売上につなげる方法として効果的なのが、適切なタイミングでの「声かけ」です。

本記事では、お客様への適切な声かけのタイミングと効果的な方法について解説します。

 

接客の声かけで意識しておくべきポイント

 

声かけは、お客様にとって心地よいものであることが大切です。しつこさや粗雑な態度が伴うと、せっかくの声かけも悪い印象を与えてしまいかねません。

これらを回避するために、以下のポイントを意識しておきましょう。

 

● お客様の目線を意識する
● お客様の来店を歓迎する気持ちをもつ

 

2つのポイントを実践することで、お客様にとって気持ちのよい声かけになります。それぞれのポイントについて、以下で解説します。

 

お客様の目線を意識する

お客様が商品をじっと眺めている時間があれば、声をかけてみましょう。おおよそ、5秒ほど商品を見ているときは商品に興味を示している証拠です。

さらに、10秒以上眺めている場合は強い関心があると考えてよいでしょう。反対にパッと見る程度であれば、そこまで強い関心をもっていないと考えられるので、無理に声かけをすると「営業されている」というようマイナスな気持ちにさせてしまう恐れがあります。

 

お客様の来店を歓迎する気持ちをもつ

お客様にとって気持ちのよい声かけをするためには、スタッフ自身が明るく親しみやすい雰囲気でいることが大切です。暗い態度や元気のない声かけでは、お客様の購買意欲を削いでしまいます。

そこで大切なのが、お客様の来店を喜ぶ気持ちです。心から来店を喜んでいれば、自然と表情が柔らかくなり、明るく元気な声かけができます。

特に、平日のお客様の少ない時間帯は、スタッフのモチベーションが下がりやすく、自然と声かけのトーンが低くなってしまいがちです。そんなときこそ、お客様を迎える気持ちを大切にしましょう。

 

 

売り逃しを防ぐ声かけのタイミング

売り逃しを防ぐための適切な声かけのタイミングは以下の3つです。

 

● 商品を手にとったとき
● あたりを見渡したとき
● 一度お店から離れて戻ってきたとき

 

これらのタイミングでの実施が購入につながる理由について、以下で解説します。

 

商品を手にとったとき

お客様が商品を見ていたり、手にとったりしたときは、購買意欲が高まっている瞬間です。興味のない商品であれば、長くその場に留まることもなければ、手にとることもありません。

このようなタイミングには、その商品の特徴を説明する声かけをしましょう。たとえば「この商品は発売されたばかりの最新型です」のような声かけがよいでしょう。

ただし、反応が薄い場合には無理に購入を促さないようにして、一旦引いて様子を見るようにしてください。

 

周囲を見渡したとき

お客様が商品を見ているときに目線を上げ、周囲を見渡す素振りをみせたら、すぐに声をかけましょう。お客様がスタッフを探しているサインかもしれません。

商品への興味はあるものの、価格や機能など、より詳しい情報を知りたいと考えているケースが多いです。

このような場合には「商品についてご案内させていただきましょうか?」と、お客様の悩みを解決に導くような声かけをするとよいでしょう。

 

一度お店から離れて戻ってきたとき

お客様が同じ商品のところに戻ってきたら、タイミングを見て声をかけましょう。購入を真剣に検討している証拠であり、アドバイスを求めているサインだからです。

たとえば、一度その場を離れて店内を見て回った後、再び同じ商品の前で立ち止まり、周囲を見回すようなときは、「先ほどご覧になっていた商品でしょうか?」と声をかけてみましょう。

お客様の迷いを解消し、購入の後押しをすることで、売り逃しを防ぐことができるでしょう。

 

 

【シーン別】声かけでお客様に伝える内容

 

声かけは、お客様の状況に合わせて伝える必要があります。単に声をかけるだけでは、お客様は「営業されている」と感じて、お店から離れてしまう恐れがあるからです。

以下では、2つのシーンでの声かけの例を紹介します。

 

お客様が店内を巡っているときの声かけ例

お客様が店内を巡っているときは、ハッキリとした購入意思をもっていない状態です。あまりにも購入を促すような声かけは敬遠されてしまいます。

このような場合には、以下のような声かけがよいでしょう。

 

● どのような商品をお探しですか?
● 別のタイプのものを倉庫からお持ちしましょうか?
● 同じようなもので割引中のものがありますが、ご案内いたしましょうか?
● 試着・試用も可能なので、必要な場合はおっしゃってください

 

あくまでお客様をサポートするという姿勢で声かけすることが大切です。

 

お客様がお急ぎのときの声かけ例

お客様がお急ぎの場合は、すでにスタッフに聞きたい内容が明確になっている場合が多いため、スタッフから提案するような声かけをする必要はありません。

お客様の具体的なご要望を伺って、スピーディーに対応しましょう。質問を繰り返すと対応が遅れ、お客様にストレスを与えてしまいます。

 

お客様を不快にさせないための声かけのポイント

声かけは、お客様に気持ちよく買い物をしていただくための大切な手段のひとつです。しかし、お客様によっては、声かけ自体を不快に感じたり、スタッフのコミュニケーションに不満をもったりする方もいますから、丁寧な声かけを心がけなければなりません。

以下で、お客様を不快にさせないためのポイントを解説しますので、必ず一度ご確認ください。

 

声かけは「お客様のお手伝い」から始める

お客様に声をかける際は、まず「何かお手伝いいたしましょうか」というアプローチから始めましょう。「お手伝い」であれば、お客様に押しつけがましさを感じさせず、自然な会話のきっかけを作れます。

たとえば、何かを探している素振りを見せたとき、特定の商品の前で立ち止まっているときはベストなタイミングといえるでしょう。

すぐに商品を案内するのではなく「お手伝い」という言葉で、お客様に「自分のペースで買い物を続けられる」安心感をもってもらいましょう。

 

目が合ったら必ず目礼をする

声かけをする前に徹底してほしいのが、お客様への目礼です。目礼とは、目を合わせてから黙って軽くお辞儀をすることです。

お客様と目が合った際は、まず目礼をして「どうぞごゆっくりごらんください」と声をかけましょう。たとえば、店内を歩いているお客様と目が合った時は、豊かでメリハリのある表情で目礼し、温かみのある声で声をかけます。

ただし、目を合わせようとしないお客様は「声をかけないで」というサインかもしれません。その場合は、無理に声をかけずに一定の距離を保ちながら見守るようにしましょう。

 

張り付き接客をしない

お客様が商品を手に取った瞬間から、過度に密着した接客はやめましょう。執拗な接客は、お客様の自由な買い物を妨げ、不快感を与える原因となります。結果として、お客様の購買意欲を損ねてしまうことにもつながります。

適切なタイミングで必要最小限の声かけを行い、お客様が自分のペースで買い物を楽しめるよう、程よい距離感を意識しましょう。

 

質問には提案で返す

お客様からの問いかけに対しては、否定を避けて、必ず代替案を提示しましょう。たとえ希望の商品がない場合でも、お客様のニーズに寄り添った提案があれば、満足のいく買い物につながる可能性が高まります。

たとえば、「この商品の青色はありますか?」という質問に対して、「申し訳ございません。青色は品切れですが、似たデザインでネイビーのものをご用意しております」と返答すると、お客様の選択肢を広げることができます。

常にお客様の要望に沿った提案を心がけることで、満足度の高い接客につながります。

 

 

購買率を高める「ひと工夫」のテクニック

 

ここまで紹介したお客様をサポートする声かけでは、顧客満足度はあがるものの、直接的な購買にはつながりません。「購買率を向上させる」といった目的であれば、お手伝いをする声かけと合わせたテクニックが必要です。

主な方法としては、以下の2つが挙げられます。

 

● トークの中に選択肢をつくる
● セールやキャンペーンの案内をする

 

それぞれの効果について、以下で解説します。

 

トークの中に選択肢をつくる

お客様が商品を迷っている際は、「どちらがお好みですか?」と2つの選択肢を提示するとよいでしょう。これにより「買うか買わないか」という二択から、「どちらを選ぶか」という購入を前提とした選択に意識を向けることができます。

たとえば、お客様の服装や好みを観察した上で、「この深みのあるネイビーと、明るめのブルーと、どちらが普段の着こなしに合わせやすいでしょうか?」と提案したり、あえて予算より少し高めの商品と予算内の商品を並べて見せたりする方法があります。

選択肢を提示することで、お客様の購買意欲を自然に高めることができるでしょう。

 

セールやキャンペーンの案内をする

来店されたお客様には、今後のセールやキャンペーン情報を必ずご案内しましょう。その場で購買に結びつかなかった場合でも、次回の来店のきっかけを作ることができます。

たとえば、チラシやハガキの配布に加えて、店舗アプリのダウンロードやメルマガ登録を案内することで、お客様とのつながりを継続的に保つことができます。

お客様の興味を継続させ、リピーターとして定着していただくことで、購買率の向上につながるでしょう。

 

 

まとめ

接客の声かけは、購買率を高めるための重要なポイントです。声かけの有無は、お客様の購買意思に大きな影響を与えるでしょう。

とはいえ、ただ闇雲に声をかければよいというものではありません。今回ご紹介したように、適切なタイミングと、状況にあった言葉選びが重要です。

これらを徹底することで、たとえその場で購入されなくても、継続的にお店に足を運んでくれるようになるでしょう。適切な声かけとは、セールスの手段であると同時にお客様との関係構築のための大切なコミュニケーションであるのです。。

関係を気づくことがができれば、リピーターが増えていき、購買率の向上へつながるでしょう。

そのためにも、現場の接客状況を客観的に判断することが大切です。

 

覆面調査(ミステリーショッパー)の導入により、具体的な問題点が明らかになり、どこに改善の余地があるのか判断することができます。、改善策を立てやすく、確かな効果が期待できるでしょう。また継続的な調査により、普段から従業員に適度な緊張感が生まれ、接客に対する高い意識を持たせることができます。

 

また、エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、接客力向上・店舗スタッフ教育や研修を行っております。
調査会社だから可能なお客様毎の取組進捗、実態、課題などを客観的に分析し、豊富な研修メニューからプロのコンサルタントがお客様の課題に応じた適切なプログラムをご提案します。

 

お問い合わせはこちらから受け付けております。
資料請求はこちらから受け付けております。

 

 

接客力向上・店舗スタッフ教育/研修もおまかせください

実態調査⇒取り組むべきポイントの把握⇒
課題に応じた研修プログラムの立案⇒実行までをワンストップでご提供。
豊富な研修メニューから、プロのコンサルタントが
お客様の課題に適したプログラムをご提案します。

プログラム例

  • 「お客様視点」接客基本研修
  • 【参加型】「実践」接客研修
  • 「コミュニケーション⼒が向上する」店⻑研修
  • 「カンタン」英会話接客研修
  • 実践 クレーム対応
  • 思わず⼿に取りたくなる商品陳列
  • 接客基本研修「おもてなし」の極意
  • 「この⼈からまた買いたい」と思われる顧客づくり
著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。