覆面調査の募集を見つける方法は？仕事の始め方や探し方、仕事内容などを解説

インターネット上や求人誌で、覆面調査の募集を目にして興味を持たれた方は多いと思います。
一方で、どのような仕事をするのかといった業務内容の詳細について知っている方は少ないでしょう。
覆面調査の仕事は、自分のキャリアに活かせる内容です。
そこで、今回は覆面調査の仕事の始め方や探し方、仕事内容などを解説します。

覆面調査員の主な仕事内容

覆面調査は、サービスを改善するためアメリカで生まれた手法で、アメリカではファストフード店や小売店、銀行、行政機関などサービスを提供しているほとんどの店舗で導入されています。

覆面調査では調査員が一般顧客と同じように店舗や企業に来店し、買い物をしながら店員や店舗の様子をあらかじめ決められた調査手順書の項目・基準に沿ってチェックし、問題点・課題を抽出します。

覆面調査員の仕事量は、調査依頼があって初めて仕事が発生しますので、変動的です。
また、調査員が調査できる地域、スキルによって仕事量の差が発生し、調査対象となる店舗が多い地域と少ない地域での差があります。

覆面調査員の仕事は、小売業、飲食業をはじめ、サービス業、金融業など、接客対応のあるさまざまな店舗や企業で実施します。
具体的な業界・業種は以下になります。

業界・業種

小売業

• 総合スーパー
• スーパーマーケット
• ドラッグストア
• ホームセンター
• ショッピングセンター
• ディスカウントストア
• コンビニエンスストア
• アパレル
• 百貨店
• Books/CD
• 雑貨
• 高級ブランド品
• ホームファッション／家具
• 家電
• 眼鏡
• 化粧品
• ペット
• お惣菜
• スイーツ

飲食

• ファストフード
• カフェ
• レストラン（和食・中華・イタリアンなど）
• 焼肉
• 寿司
• 居酒屋
• ラーメン

サービス業

• カーディーラー
• ガソリンスタンド
• 携帯電話
• レジャー（遊園地・水族館・フィットネス・スポーツ・パチンコなど）
• ホテル、旅館
• ブライダル
• 美容院、エステ
• 学習塾

金融

• 銀行
• 証券会社
• 外貨両替

対象店舗のサービス評価

覆面調査員の主な仕事のひとつに対象店舗のサービス評価があります。
たとえば、一般的な小売業の店舗では以下のようなポイントをチェックしていきます。

売り場づくり

• 店内に入りたくなる仕組みはあったか
• 商品は見やすいか
• 商品は取りやすいか
• 商品陳列状況に目立つ乱れがなかったか
• 価格は分かりやすいか
• 売場通路は保たれ買いまわりしやすいか
• 季節感のある売場になっているか

レジ・チェッカー

• 商品を持ちレジに向かうとすぐに気付き商品をお預かりする姿勢は見られたか
• 商品の金額お預かりする金額の読上げはあったか
• 商品を丁寧に取り扱ったか
• 「ありがとうございます」とあいさつはあったか

ベストウェルカム

• 店内の床に目立つごみや汚れはなかったか
• 商品自体の汚れ・破損はなかったか
• 照明・明るさは十分か
• レジまわりは整理整頓されていたか

従業員の評価

覆面調査員の主な仕事のひとつに従業員の評価があります。
たとえば、以下のチェックポイントでチェックを実施していきます。

ホスピタリティー

• 擦れ違いあいさつの有無
• 擦れ違い声の大きさ
• 擦れ違いアイコンタクト
• すれ違い笑顔
• 従業員の身だしなみに清潔感はあるか
• 名札の名前は読み取りやすいか
• 従業員同士で業務以外の私語や雑談をしていなかったか
• 作業に没頭している・お客の前を横切る・見たい場所をふさぐといった阻害行為をしている従業員はいなかったか

接客スキル

• 商品を見ているとスタッフからアプローチがあったか
• アプローチがあった場合その言葉は興味や関心を引くものであったか
• アプローチがあった場合その際にアイコンタクトや笑顔があったか
• 商品の質問をすると商品の前まで誘導案内したか
• 説明や提案は分かりやすかったか
• ニーズに合わせた商品を具体的に提案したか
• 説明やお薦めは笑顔で行ったか
• 対応した従業員の印象はどうだったか

問題点・課題の抽出

覆面調査員は、対象店舗と従業員のサービスを項目・基準に基づいてチェックしたのち、サービスを改善していくために明確化が必要な顧客目線の問題点・課題を抽出していきます。

覆面調査員の募集はどこで見つけられる？おすすめの探し方は？

この章では、覆面調査募集の探し方から、確認すべき点を紹介します。

覆面調査募集のおすすめの探し方

インターネット検索で、「覆面調査　募集」と検索すると、数多くの募集情報がでてきますので、簡単に探すことができます。
覆面調査専門会社の企業サイトでも、覆面調査員募集のエントリーを受け付けていることが多くあります。
また、仕事探しの情報誌にも、掲載されています。

いずれの方法でも、覆面調査の募集を見つけるのは、比較的簡単です。
しかし、覆面調査会社はエントリーの受付から実際の仕事まで、しっかりとサポートがある
安心感のある会社を選びましょう。
内容を良く調べて、自分に合った覆面調査専門企業を探すことをおすすめします。

覆面調査募集を探す場合は、調査報酬・交通費・諸経費についても確認していきましょう。
一般的には、1店舗あたりの報酬は、1店舗1,000円～10,000円程度で、調査する内容や項目数・難しさ・時間帯などの条件により異なります。
また、原則として報酬の中に交通費・商品購入費・飲食費など諸経費がすべて含まれていますが、別途交通費が支給されることもあります。

希望する地域で覆面調査をすることはできる？

調査地域は、調査内容・条件などを加味した上で、覆面調査員の居住場所から最も近い場所を選定して依頼を行うケースが多いようです。（特殊な調査や調査の時期によっては変動もあります。）

希望する店舗や業種で覆面調査をすることはできる？

覆面調査の仕事は、調査会社から事前に調査対象店舗・実施条件・期間・報酬を提示した上で調査が依頼されます。そのため調査内容・店舗場所などはあらかじめ知ることができます。

また、調査会社から依頼があった調査を絶対に実施しなければならないことはありません。依頼を受けた後で、実施条件等を確認して依頼を受けるかどうかを決めていきます。

覆面調査員の仕事を始める流れ

覆面調査員の仕事は、事前に調査会社から依頼を受け、内容を確認してから仕事を開始します。
調査をする店舗が決まったら、調査員は以下の情報を把握しておきます。

• 店舗の場所
• 商品やサービスの情報
• 調査基準
• 来店時間
• 支払方法
• コメント方法

覆面調査のチェック項目・基準は調査会社によって決められています。
たとえば、前章「覆面調査員の主な仕事内容」で解説した対象店舗と従業員のサービスを項目・基準に基づいてチェックし、評価します。

覆面調査員の仕事をするメリット

覆面調査員の仕事をするメリットは、店舗のサービス改善のお手伝いができる点と、マーケティングやコンサルティングの仕事に役立つスキルと経験が身につく点でしょう。

店舗のサービス改善につながる

覆面調査により店舗や従業員の実態が明らかになることで、店舗の改善すべき点を把握できます。そのため、店舗は実態に合った対策や改善の検討が可能となります。

具体的な問題点が明らかになり、どこに改善の余地があるのかわかるので、改善策を立てやすく、確かな効果が期待できます。

店舗で働く従業員は、来店した顧客に対してより良いサービスを提供するために日々努力しています。
しかし、それらのサービスについての顧客の生の声はほとんど知る機会がないという悩みがあります。

たとえば、アパレルでは「提案したコーディネートが気に入ってもらえただろうか」、保険代理店などの店舗では「商品の説明は理解してもらえただろうか」、レストランなどの飲食店では「料理提供のタイミングは丁度よかっただろうか」といった点が気になるところです。

覆面調査によって、従業員は、マネージャーや同僚の目線ではなく、お客様目線でのサービスの評価がわかります。そして良い点はさらに伸ばし、良くなかった点は改善をしていくことができます。

このように、店舗のサービス改善のお手伝いができる点が、覆面調査員の仕事をするメリットのひとつです。

マーケティングやコンサルティングの仕事につなげられる

覆面調査の仕事に興味がある方は、依頼を受けて仕事を遂行していくことで、スキルと経験を身につけていくことができます。

また、将来的に接客対応のある店舗や企業で働きたい人や、自分で店を持ちたいと考えている人は、将来の夢に向けての礎となる仕事です。
実際の仕事現場を調査する覆面調査の仕事をすることで、どのような店が顧客に選ばれるかという点を具体的に知ることができるでしょう。

さらに、マーケティングやコンサルティングの仕事、店舗経営やマネジメントに興味がある人は、覆面調査の仕事は勉強になるでしょう。

顧客志向の考え方をしていくことが、現在のビジネスの主流になっていますので、覆面調査はリアルな学習体験になるはずです。

覆面調査は、顧客満足度を高めるための以下の事項をチェックする仕事でもあるので、経験と知識が将来的なキャリアアップに役立つでしょう。

• 商品やサービスそのもの
• 店舗内の雰囲気
• 従業員の接客
• 情報提供（割引・ポイント・キャンペーンなど）

さらに、覆面調査の仕事で、手順や基準どおりに注意深く調査をする経験は、事務や営業など他の業務にも生かせるはずです。

まとめ

覆面調査の仕事は、対面販売を行っているさまざまな業界・業種の店舗で行います。
覆面調査によって、店舗と従業員はお客様目線のサービス評価が分かり、良い点はさらに伸ばし、良くなかった点は改善をしていくことができます。このように、良い店舗作りの手伝いをするのが覆面調査の仕事です。
また、覆面調査の仕事は、自分自身のスキルと経験を高めることにもつながります。
覆面調査の募集を見つけるのは比較的簡単なので、興味がある方は覆面調査を体験してみてはいかがでしょうか。